土について考えている3つのこと
身土不二(しんどふじ)から始めた農業なので、特に土には思い入れがあります。
健康な土が健康な野菜に、そして健康な身心につながってると信じて、土を気にかけ、手を入れてます。
①「菌」について
具体的に大切にしていることの一つが菌です。
よい土ほどたくさんの菌、多様な菌がいるそうです。野菜の養分を作り届けてくれるのも、病気にするのも菌です。野菜にとって良い菌が多くなるように、キノコの菌床をベースにした堆肥を作っています。キノコの出汁が出るのか、みなさん野菜が美味しいと言ってくれます。
②「循環」について
もう一つは循環です。
人の生活や社会活動ではゴミになるものも、畑では資源になるものがたくさんあります。キノコの菌床や家庭からでる生ゴミもその一つです。人が出したゴミを資源に変えて、野菜を育てまた人に戻す、土にはそのような循環機能があります。またそこに運び込むものの質だけでなく、距離に気をつけています。遠くにとりに行くのでなく、できるだけ近くで調達して、隠れフードマイレージも少なくしています。
③「自然に還らないゴミ」について
最後に自然に還らないゴミです。
ビニールはプラスチックのゴミは土で分解されないため循環からは外れてしまいます。マイクロプラスチックが広く問題視される前から畑でずっと広い続けていました。育てている野菜にはほとんど影響ないかもしれませんが、やはりゴミの多い畑で育った野菜は、食べるとき気持ちいいものでないと思います。畑の景色や食べるときの気持ちも大切にしたいです。
ボクは有機農業を、単に農薬や化学肥料を使わないことでなく、あらゆるものの特性や前向きな力を活用した助け合いの関係づくりと考えてます。畑では虫、菌が、外からは人や動物が運び込む有機物が、空から太陽や雨が、土を豊かにする。そこから採れる恵みをまた分け合う。たまに自然の猛威や人の心無い行為があるかもしれません。それもまた自然や人に助けてもらって乗り越えていく。
そんな繰り返しの関係をつくる上で、土や農業が果たす役割は大きいと考えて大切にしています。